食


僕の趣味の中でも、家族に喜ばれる数少ない趣味が料理です。
一時期、毎日のように新しい料理にチャレンジしていたので、娘は料理というのは男が作るものと錯覚していました。
(僕自身、料理は絶対に女性が作らなければならないものとも考えてはいません。 作りたい人が作れば良いというスタンス。)

ロンドンからオーストラリアに移って来た当時は、シドニーで日本食のレストランをやりたいという夢を持っていました。 
プロとして、レストラン業は全く経験のない僕は、早速ある知り合いを通して、当時数少なかった日本レストランのひとつに修行(?)に出ました。
(約一年ほどでしたが)そこで、色々ノウハウを学んで自分の店をと思っていたのですが、結論から言うと、実現しませんでした。 
理由は簡単、自分の性格です。
何事にもとことん追及してしまう僕には、自分が納得いくまで材料も凝り、什器にも凝りと、すでに収益性の観点から諦めていました。(自信が無かった)

当時のオーストラリアには日本食レストランは少なく、現地の人にとって日本食は全くマイナーな料理でした。 
ですから当時僕がやりたかったような店を理解してくれるオーストラリア人は少ないと判断したのです。

最近街に出て、回転寿司などもいたるところにあり、オーストラリア人が行列さえしている光景を見ると、感慨深いものがあります。

さて前置きが長くなりましたが、ここではオーストラリアでの「食」について書いてみたいと思います。


パスポートのいらない世界食紀行

食べることに好きな僕にとって、シドニーは世界中の料理を満喫するには最高のところです。
各国からの移民たちが形成する街シドニーには、ありとあらゆる種類の食を提供してくれます。
僕はある時期とてもベトナム料理に夢中になっている時期がありました。

その前にタイ料理にチャンレンジしていて、10週間にわたって(といっても火曜日の夜だけですが)タイ人の女性が主催するタイ料理教室に通っていました。
タイとベトナム料理では、かなり共通の食材や調味料を使うために、ベトナム料理に移っていっても、比較的分かりやすかったです。

皆さんはPHO(フォー)というベトナムのつゆソバを知っていますか?
ソバというよりうどんに近い麺が入ったこのスープの美味さは、もし世界3大スープヌードルというカテゴリーが存在したなら、確実にこれはその一つに入ります。
シドニーで最も美味いフォーを見つけるべく、色々なところを試しました。
シドニーにはベトナムの人たちが多く集まる街が二ヶ所あります。
そのひとつ、Bankstown に美味い店があると聞いて出かけていきました。
初めて訪れたその街は驚きの連続でした。  一緒に行った家内や娘はその街を歩き始めたとたん、全く東洋系の人たちしか見えない通りに立ち、正に今3人でベトナム旅行をしている錯覚にとらわれていました。

この感覚は、日本にいる人には分かりづらいかもしれません。
日本でも横浜や神戸の中華街に行くと、中国語で書かれた看板が氾濫しています。 しかし、街を行き交う人たちは中国人も日本人も同じ東洋人ですから、このような錯覚は起きないと思います。
レストランや食料品店は言うに及ばず、電化製品の店、薬局と何でもベトナム人ばかりなのです。
例えば日本で東京の渋谷駅に降り立って、行き交う人々が90%以上金髪の白人だったらと、想像されると分かりやすいかもしれません。

これが僕の言う「パスポートのいらない」世界旅行なのです。
ベトナムに行ったときにしか手に入らないだろう民芸品を買ってみたり、見たこともない果物を食べたり。
で、そこにあるフォー専門店「アン レストラン」が、お目当ての店。
注文したとたんに運ばれて来た(異常に早いです)ビーフ仕立てのフォーを一口、絶句してしまいました。 
顔だけがニヤついているだけで、どんどん食べ続けてました。

この美味さを表現するのは中々困難です。
全く味は別物なのですが、例えば徹夜明けで朝食にシジミやアサリの味噌汁を一口飲んだときに、美味さ以外に体の中を駆け抜ける(スーっとしたというか、フーっという溜息のような。)あの感覚に通じるものがあります。
何度も繰り返しますが、味噌汁とは全く違った味なんですが。

後に知るのですが、この店はあまりにもフォーで有名になり、オーナーは大儲け、その店の周りの不動産を次々と買い取っているそうです。
で、値段はこれもベトナム値段です。 
普通の日本人なら多過ぎるようなビーフの薄切り(すき焼き用のような薄さの柔らかい)がたっぷり入って8ドルからです。 日本円で480円でしょうか。

 


インド料理 

ロンドン時代に、大いに楽しんだ料理は中華料理とインド料理でした。 大英帝国の植民地であった国の料理ですから、店の数も質も歴史もありました。
オーストラリアに移ってきてから、シドニーでも同程度の質の中国料理があることを知って安心したものです。

もう一つのインド料理、ロンドン時代にこの真髄を知りました。 当時ロンドンに住んでいた友人たちにも、僕のひいきの店を紹介したり。 その一人はその後すっかりインド料理に魅せられて、日本帰国後「Ghee ギー」というカレー専門店を、原宿で始めてしまったほどです。(Gheeは、インド料理で使うギーオイルの意味です)

さてそれほど親しんだ料理を、シドニーで探すのはなかなか簡単ではありませんでした。 何しろ数は少ない上に、インド人の移民も多くなく、情報も少なかったです。 僕が満足できるインド料理が出てきたのは、たった10年ちょっと前です。 しかしさすがオーストラリア、色んなものを貪欲に取り入れて、味はどんどん向上しています。 2年前にロンドンに遊びに行って、当時僕のひいきにしていたインドレストランに行って、もはやシドニーの味も負けてるどころか勝ってると確信したものです。

ちょうどそのロンドン旅行から帰って来た直後に、僕はあるインド料理の店を見つけました。 それはインド料理をかなり知っていると自負していた僕にとって、ちょっとショックな出来事でした。 確かにインド料理なのに今まで食べた事のない料理があるのです。
その名前は、「DOSAIS ドサイ」簡単に表現すると、インド風パンケーキでしょうか。 米の粉と、Lentil という豆の一種を挽いた粉をまぜ、(テンプラを作る時のように、水で溶いてどろどろにして)一晩寝かして少々発酵させたのを、熱い鉄板の上で薄く延ばして焼きます。 焼いてるところを見ると、日本でもあるパンケーキと同じです。
このパンケーキに包まれる具として、野菜系もあればチーズ系や肉系もあります。(詳しくは下のウエッブページから。 全部英語ですが、いろいろ中を見ていると、大きな葉巻状の物が出て来ると思います。 それがDOSAISです。)

なぜ今まで(特にロンドンで)この料理を食べた事が無かったのか、とても不思議でした。 ひょっとしたらこの料理はインドでも、南インドの料理だからロンドンにはその地方の人が少ないのだろうかと、色々いまだに分からない事もあります。
さてこれに興味を持った僕は、そのメニューを置いてる店を、次々に試してみました。
ここでは簡単にピンからキリの両極端を2件紹介します。
まずピンから。 店の名前は「NILGIRIS」オーナーシェフはたいそうな料理研究家でもあり、料理学校までやってます。
その上ウエッブページまで持っています。 
http://www.nilgiris.com.au/
中を見ていただければ分かりますが、ここはこのDOSAISだけでなく、オーナーシェフの熱意の結晶のようなメニューが並んでいます。 僕から見るとこの店の場所が問題だと思います。 パディングトンあたりにあったら、今ごろ超有名でしょう。 値段も一般的に安く楽しめるインド料理としては高い方です。

さて次はキリの方。 名前を「MAYA}といいます。 場所はREDFERNのそば、CLEVELAND ST と、BOURKE ST の交わるあたりです。
そこに足を一歩踏み入れると、完全にインドです。 そこがシドニーなんて思えないほど。 壁のポスターも、掛かっている音楽も、従業員も、お客までも90%はインド人です。 僕はインドに行った事がないのですが、ニューデリーの下町にある店だと言われたら信じちゃいます。 料金もインドしてます。 メッチャクチャ安いです。 入るなり目に入るテイクアウェー用の食べ物は、目がチカチカするほど原色のものだったりします。 もうカラフル通り越して、こんな色ほんとにダイジョーブだろうかって思わせてくれます。
ここは菜食主義者の店なので、中の具などは総て野菜です。 ステンレスで出来たお盆だか、皿だか分からないようなものに乗って、DOSAISは出て来ます。
それを満喫した後は、マンゴヨーグルトと、目チカチカのデザートを楽しんでください。

実はこの店、最近は行っていません。 僕は行きたいのですが、女房がそこへ行って、25年程前にエジプト行った時に経験して以来の「大下痢」になったので、この店の名前を出すだけでも女房はトイレの方に眼が行ってしまいます。
ですから、この店はインドに行って屋台のようなところで何食っても全然ヘッチャラという人には、大いにお勧めです。 僕自身はまた行ってみたいのですが回りが逃げ回ってしまっていて。 (僕はここには少なくとも6回は行ったのですが、なんとも無かったですよ。 インドネシアのバリの方がやばかったです)

上の2つの店は本当に両極端ですが、皆さんはお好きなほうを選んで試してください。


オーストラリアの甘味

ベジマイトというとオーストラリアの特産品ですが、お菓子でもラミントンという、良く分からないものがあります。
何かさいころ型のカステラにチョコレートソースを塗って、ココナツの粉末(DESSICATED)をまぶした、なんとも素朴な(ソフィスティケートされてないといったほうが当たってるかも)ものです。

もう一つあまり皆さんご存知無いお菓子で(ケーキで)PAVLOVA(パブローバ)というのがあります。
20世紀初頭(多分1910年頃)、ロシアの世界的なバレリーナANNA PAVLOVA がオーストラリアに公演に来ました。
当時オーストラリアはとても田舎でしたから、世界的なバレリーナをもてなすために、人々は苦心しました。
公演で彼女は白鳥の湖を演じたのですが、彼女が泊まっていたホテルの料理長が、評判を呼んだ彼女の白鳥の演技にちなんで、彼女のために特別にデザートを作りました。
  
これがそのケーキ、下の白い台がこの写真では良く見えない。 卵の白身をあわ立てて、オーブンで焼いて台にします。 その上にクリーム(僕は砂糖入れないのが好き、入れると甘すぎてしまう。)をかけてその上にイチゴにバナナ(この写真では見にくいがイチゴの輪の中)、そしてパッションフルーツがバナナの上に掛けてある。

                        

その後このケーキが(その由来を含め)オーストラリアでは大いに評判を呼び、多くの家庭でも作られるようになります。
僕はこのお菓子結構好きです。 昔オーストラリアに来た当時、良く女房に作ってもらったのですが、下手をするとすぐに卵白で作ったケーキベースがしぼんでしまいます。
またバナナにストロベリーそしてパッションフルーツの組み合わせがなんともよろしいのです。
バナナとパッションフルーツはとてもオーストラリアっぽいし。
以下にレシピを書いておきます。
絶対にパッションフルーツを使ってください。 それも多めに。
パッションフルーツの入らないのは「PAVLOVA」とはいえません。

レシピ
卵白 4個分
片栗粉 1 テーブルスプーン
バニラエッセンス 1 ティースプーン
砂糖(カスターシュガー) 1カップ
酢 2 ティースプーン
卵白を良く泡立てる。 泡立てている時に少しずつ砂糖を加えていく。
泡が「立つ」ほど硬めになったら、片栗粉、バニラ、酢を折り込むように混ぜていく。 決してかき混ぜるように入れない。
オーブン用のペーパーの上に丸く盛る。
150度で暖めておいたオーブンに入れるときに30度の落として、45分かけて焼く。
焼き終わったらすぐに火を落として、そのまま中でゆっくり冷ます。
絶対にオーブンのドアーを開けない。 ドアを開けて冷気が急に流れ込むと、この淡雪の台がしぼんでしまい、失敗となる。 
土台がぺっちゃんこで、ケーキにならない。 だから出来る限り早めに作る。 出来れば朝作って、そのまま一日オーブンの中に置いておけば、夜のデザートのちょうど良い。
飾り立ては、良く泡立てたクリーム(砂糖は入れない)を先に乗せて後はお好みで。 キウィフル−ツを入れても良い。


  テツヤズレストラン

B級グルメ専門の僕も、たまには高級料理もチャレンジします。
今評判のオーナーシェフのやるお店二つ。 一つは、Bill Granger 氏のカフェレストラン。 そしてもう一つは(これが本題)オーストラリアで最も注目されてるシェフ、和久田哲也氏のお店の事です。
以下は日記に書いたものからなので、最初の部分は飛ばして読んでもらっても。

2001年8月16日

新聞見てたら、シドニー湾内のParsley Bay(パースリーベイ)で、鯨が遊んでるとか。(ミンク鯨)
パースリーベイというのは、Vaucuse House(ボークルーズハウス)の前の入り江。 
そこから、もっとハーバーブリッジに近い、海軍基地のあるウールムールベイの軍艦の横の岸壁の上には、アザラシが上がってノンビリと、昼寝をしておる。
もうまるでシドニーは、自然動物園。 ほとんどシティーの中っていう距離なんですけど、さすがオーストラリアだなって感じちゃいます。
ほんと、そういうの見ると嬉しくなっちゃいます。
特に今日は、「春っ!」ていうポカポカ陽気で。

さて、本日は娘の誕生日。 朝、犬の散歩から帰ってきたら、彼女お気に入りのカフェーに朝食を食べに行こうという。
大学は午後からだとか、女房と3人で行ってきました。
カフェーの名前はBILLS。(正確には小文字で、billsだったと。) かなりのお勧めです。 「リコタホットケーキ」を女房とシェア−したのですが、ハニコム(Honey Comb) とバターで加工したのがホットケーキの上で溶けていて、かなりの絶品。
本当は、スクランブルエッグなどの、重い朝食系が有名らしい。
メニューは無くて、壁にある大きな黒板に書いてあるものからオーダー。
かなり気に入ってしまいました、この店。
欠点は、床が木製なので、音が反響してチョット大きい。 朝食時は、近所のヤンママも、子供を連れてきちゃう事も有る。 ということはもっとうるさくなる可能性も有る。 お値段が、、、、。
ヤンママが気軽に食べに来るような値段じゃないと思うんですけど。

夜は、我が両親と5人で「テツヤズ」へ。
ここのオーナーシェフ、和久田テツヤ氏は、オーストラリアで最も有名な料理人。 (といっても、日本では誰も知らないでしょうが)
昔々、アルティモに、その名も「アルティモス」というのを始めて以来、人気は落ちるところを知らず、ロゼルに「テツヤズ」として移ってからは、評判に火がついて、オーストラリアナンバーワンシェフの座に。
とうとう昨年、もとサントリーが持っていたレストランを(サントリー撤退の後を受けて)買い取って、現在に至っているわけです。

オーストラリアの料理番組などでも、彼が(まさに料理の鉄人のごとく)しばしば登場してます。
日本のエッセンスを取り入れた、フランス料理ですが、この手の料理の特徴である、まことにゆっくりしたサービス、食べ始めてデザートの後のコーヒーが運ばれてくる頃には、日付が変わるのではないかというのには、僕苦手なんですよね。
なんか飽きてきちゃうというか。 久し振りの友人を囲んで、昔話に花が咲いてなんてのにはぴったりでしょうが、いつも顔を合わせてる家族じゃ話す事もないし。
その上僕は、残念ながら「下戸」で、B級グルメ専門なので、よけい始末が悪い。

で、今晩のメニューは、やっぱり12品のコース料理+αという内容。
12品といっても、ほとんど懐石的な量ですが。
しかし、ウエイター、ウエイトレスたちのきびきびした動きもあって、終わったのは、午後7時から始まった食事は11時ちょい前に終了。
これでも早く終わった方だと思います。
味は、やはりオーストラリアナンバーワンのことはありますが、しょっちゅう来る所でも、また来れる所でもない。
ロゼル時代と違って、全くチョイスの無いコース料理だし、内容も季節ごとにしか変わらないとか。
つまりまた来月行っても、全く同じ物が出てくるということ。
特別なオケイジョンで無ければ、(接待とかは別として)この値段は???
とも感じました。

と、今日は食い物ばかりの話になってしまった。

追記
この日の日記を食のページに移すに当たって、少し補足します。

まず、「bills」ですが、やはりオーナーシェフ Bill Granger の店。
彼は料理の本も書いていて、かなり有名。 僕がいつも行くPC屋の隣のカフェで、やはりココナッツブレッドがメニューにあるので、ルルちゃんに(この隣のカフェのやはりオーナーシェフです。愛嬌たっぷり)「ここのココナッツブレッド、とっても美味しい、Billsのと比較しても」って言ったら正直者のルルちゃん、Bill Granger の本からレシピ盗んだのよって。
いや〜、それほどBill君有名なんだということ。 しかし、焼き立て、でき立ての方が味はよろしい、いくら本家本物でも。

次に「テツヤズ」の和久田哲也氏。 彼がオーストラリアに来たのはちょうど20年前。 21歳の時との事です。 食べるのは大好きだが、全く料理の経験は無かったらしい。 僕が初めて彼の料理を食べたのは、(正確には思い出せないほど昔)「アルティモス」というお店をオープンした頃。
確か13〜14年ほど前だったか。 もうその当時から日本では日本人シェフの作るフランス料理は、世界でも有名になっていたので、日本でフランス料理を勉強した人がシドニーに来て店を開いたのだと思った。
昨晩行った、元サントリーレストランがあった大店は、そうの当時を知る者には感慨深いものがあります。

昨晩の客層を見ていると、ほとんど日本人はいなくて、ほとんどが現地オーストラリア人、また東洋系と見える客もほとんどが中国系のようで。
中国人はさすが、食い物には金に糸目を付けないようで。 お値段は、東京でフランス料理を食べる値段。 ということは、オーストラリア人にとっては多分、最も高いレストランになる。
勿論この味のレベルなら、高いとは誰も思わないだろうし、料理のレベルだけでなく、このサントリーが当時大金を使って建てた(無から建造)入れ物は、はっきり言って、お勘定書に記入された数字を納得させてくれるほどのもの。
インテリアもサントリーが日本食をやっていた当時より落ち着いて、もっとよろしい雰囲気が。 


2001年8月25日

 

B級グルメ愛好家を自認する僕は、料理するといっても安くできる物ばかり。 昨晩も例によって家族のリクエストで、訳の分からない物を作ってみたのですが、これが思いのほか評判が良くて、書いてみたくなった次第。
もっとも、酢豚などの、甘味系のおかずはちょっと言う方には参考にならないかも。 
何しろ、料理に砂糖は一切入れてないのですが、かなり甘めに仕上がっておりました。
料理名は、ウ〜ん、「ローストダックのレッドカレー風味」かな。
何しろ、超手抜きの料理で、夕方の6時ちょい前にダックを仕入れて帰って来て、7時前にはもう食いたいって言う、年寄りにいる家庭。
まるで、料理の鉄人のように、自分で作りながら、「30分経過!」なんて、
アナウンスしながら作ってました。
使ったもの(何度も言うけど超手抜き編です)

1.中華街(BBQ KING)で仕入れてきた、すでに出来上がってるロースト  ダック。 1羽。 もちろんチョップ(切って)されたもの。 1羽は17ドル
  5人でいただくのですから高くは無い。
2.ココナツミルク1缶。 お勧めは、Mae Ploy ブランドの、560ml の缶
3.普通のスーパーで売ってるような、Panang カレーのペイスト。
  でも、こりゃー日本のスーパーじゃ無いかもしれないな。
  普段は、このペイストは自分で、(石のすり鉢使って)作るが、手抜きな  ので。
4.紫タマネギ2個。 ニンニク。 コリアンダー。 缶詰の竹の子。
  缶詰のパイナップル。 ナス(日本のナスくらい小さいヤツ)2〜3個
  瘤(コブ)ミカンの葉。 タイバジル。 ニンジン(中2本) レモングラ     ス。 ガランガル(少々)。
5.味付けは、ニョクマム(又は、ナンプラー)魚醤です、いわゆる。

確かこれだけだったような。 何しろ、すべてアドリブなので、記録など無い。(だから、今書いてる意味があるかも)
コツは、タマネギを薄くスライスしたのを、フライパンで炒め、途中でニンニクを足して、色がつくまで炒める。
それにココナツミルクの缶をそっと開け、分離してるココナツの部分だけ大きいスプーンで取り分け、炒めてるタマネギに足してさらに炒める。
強火過ぎると、ココナツが分離してくるので、分離が進まないうちに、適当にささっと炒める。
炒め終わったら、残りのココナツミルクをすべて入れ、上の野菜類を立て3センチ横1センチ見当で(ナス、パイナップルは一口大というのか、まあ好みで)切ったのを入れて終わり。 
ニョクマムで味をつけて、最後にダックを全部入れて煮立ったら終わり。
コリアンダー、瘤ミカンの葉、タイバジル(これだけは最後の方に入れる事)、レモングラス、ガランガルなどのハーブ系はお好みの量で。

ダック一羽も使ってしまったから、かなりな量に。 で、汁気は(つまりカレーの部分は)ちょっと少なめだったから、少々水を足しても良いかも。
見れば分かるように、パイナップルと、ダックから甘味が、十分に出るので、気をつけること。 甘味が勝ちすぎてるかなと思ったら、ニョクマムで調整しましょう。

実質調理時間、30分ちょっと。(野菜類切る等、用意する時間がほとんど。)
興味があったら試してください。 どこまで、日本で(特にハーブ系)材料が手に入るかに、かかってるかもしれませんが。
本当は出来上がった写真を付けたら判り易いかも知れないが、日記に書くなど思ってもいなかったので、ありませぬ。

ついでに(料理に興味ない人にはゴメン!)この日記を書きながら食べた昼御飯。 これが今思いっきり気に入ってる、イタリア人の焼いてるパンで、PANE RUSTICOってヤツ。
これにダブルスモークのジプシーハムの薄切りと、チーズの薄切り(絶対に向こうが見えんばかりの薄切りね)、デジョンマスタードを塗って、いただくと、まことに「ウッメ〜」でございます。 (これも簡単、パン切って上に載せて食すだけだから。 でもこれをグルメカフェーで食ったら、そこそこ取られんだろうが) 
予想通り、食い物の話だけで終わってしまった、日記でした。


2001年10月4日

日本の旧友からもらったメールを読んでいて、米について書きたくなりました。
この旧友と一時期ロンドンで一緒に住んでいたのですが、あるとき日本から友人が遊びに来て、一緒に中華を食いに行った。
ロンドンはイギリス料理は最悪なのですが、もと植民地だったインドや香港中華の料理には大いにエンジョウイしたものです。

日本から遊びに来た友人に、この美味い中華を食わせたのですが、「料理は良いが、このパラパラの飯だけは」と言われてしまった。
日本人には日本米がコメの中では最高という信仰のようなものがあって、とにかく日本米以外は不味いと思ってるふしがあります。
そこで今日は僕のコメに対する意見を。

まずオーストラリアでは、少なくともここ10年、平均的なオーストラリア人の食べるコメの量というのは、劇的に増えていると思います。
昔はオーストラリア人のコメの食い方というのは、完全に西欧風が主で、たまに食べる中華料理に出てくるコメも申し訳程度に食べていた。
しかも、一般にオーストラリア人は日本米のようにねばつく米が苦手で、パラパラの米のほうを好んでいました。

西欧風の食べ方というのは、豆とかポテトのバリエーション的に、肉などの主食の横に申し訳程度にボイルドライスか、ライスを使ったサラダを付け合せるという物です。 ライスを使ったサラダというのは、マカロニサラダのマカロニの代わりにライスが入っているという表現が分かりやすいかもしれません。
ところが、いまやオーストラリアでも寿司は人気があるし、タイレストランも大流行だし、インド料理もあるしで、米に接する機会が増えた。
その上オーストラリア人のダイエットが変わって、今までのように肉ばかりバリバリ食っていたのが、炭水化物の重要性に気がつき、意識的に食うようにもなってきた。
これはスポーツ選手の影響でもあります。

で、僕の意見はいたって簡単、日本食を食うときには日本米が一番美味く、タイ料理を食うときには、タイ米系(ジャスミンライスとかの)が最高なのです。
今オーストラリアではすべての種類の米を手に入れることができます。 寿司の普及で、最近はオーストラリア産のコシヒカリも売っていますし、日本の新潟コシヒカリも買いたければある。 もっともこの新潟産コシヒカリは5キロで77ドル以上もして、「日本の価格」の異常さを象徴してます。
そう、オーストラリア産の約10倍ですから。

もう少し説明を加えると、日本米はミディアム・グレインと言われ、グルテン質の多い、粘り気のある米で、日本人が外米と呼んでる(美味くないと思ってる)米はロング・グレイン系といいます。
じつは、形から見ても日本米系がてっきりショートだと思っていたのですが、ひょっとしたらイタリアの料理リゾットや、スペインのパエリアを作るときに使う、アボリオ・ライス(Aborio)を、ショート・グレインと呼ぶのかもしれません。

オーストラリアでは日本米風のカリフォルニア・ローズ米(カルローズと呼ばれる)が一番安く、10キロ当たり12〜13ドル、次に普通のロンググレインが14ドル前後、くらいでしょうか。
ロング・グレインのジャスミンライスが15ドルから17ドルくらいで、最近になって売り出された、オーストラリア産コシヒカリがキロ当たりが18ドルから20ドル。
値段は店によっても開きが大きい上に、1キロ入りなどの小さいバッグで買うとかなり高めになるようです。

で、うちでは日本食を造る時にはオーストラリア・コシヒカリを使うし、僕がタイやベトナム料理を作るときにはジャスミン・ライスを使います。
タイ料理を作って、コシヒカリなどで食おうものなら、タイ料理が台無しになってしまいます。 中華風の料理の時でもこのジャスミンライスを使います。 また、たまに凝ったインド料理を作るときには、これはオーストラリア産ではないのですが、インドのバスマーティ・ライスを使います。
このバスマーティ・ライスは良質の物はオーストラリア産のコシヒカリより高価ですが、本当に風味があって美味い。
インド風のカレーというのはかなりルーの部分がさらっとしているので、あれにコシヒカリなんかで食ったら、カレーじゃなくなってしまいます。

しかしおもしろいもので、日本風のルーを使ったカレー(ハウス何とかカレーといった類のやつです)には、コシヒカリがわりと合うんですよね。
あの日本独特の、どろっとしたカレーが、コシヒカリの粘りのある米に合うのかも知れない。
と、ここまで読んで皆さんは僕が海外に永く住みすぎて、本当の日本の米の美味さを忘れて、こういう事を書いてると思うかもしれません。
しかし我が親のように、長い間日本で日本米ばかり食ってきた人間が、こちらに来てジャスミンライスの素晴らしさにも、またバスマーティライスの美味さにも気が付いたようです。

日本は米が主食で、世界で一番美味い米を知ってる国民なんて思ってる人がいたら、イヤイヤ全く逆で世界で一番美味い米(の種類)を知らない国民かもしれません。
まだ僕が日本に住んでいた頃、六本木にあったインド人のやってる本格的なインド料理店でインド人のシェフが日本にバスマーティ・ライスが輸入できない(日本政府の政策で)とこぼしているのを、覚えています。
今考えてみると、その当時日本米であのカレーを食っていたわけで、それでも美味いと思っていましたが、その後ロンドンで素晴らしい本格的なインド料理にであって、まさに目からウロコでした。
やっぱり、日本米で作るインドのピロウ・ライスなどは、細長くパラパラのタイ米で作る握り寿司と同じくらい、合わないもの、美味くない物なのです。

最後に、前の日記にも書いたと思いますが、ミディアム・グレインとロング・グレインの扱いの違いを。
ミディアム・グレイン(日本米など)はまさに「米を研ぎ」ます。 考えてみると、野菜などは研ぐといわずに洗うというのに米は、刀のように研ぐという。 これが大事で、うまく研ぐと炊き上がりの味が一味も二味も違う。
ところが、ロング・グレインは日本のように研いだりしたら、香りも飛んでしまい、だいなしになってしまいます。 炊き上がりも良くない。
だから研がずに、洗うのです。 その上、洗ったら長く置かないですぐに炊いて良い。 それほど米によって違いが有るのです。

今日の日記は、料理のページに行きそうな内容になってしまいました。
本当は、ブラック・ライス系とか、上記のアボリオ・ライス、米に関してはまだまだたくさん書きたいことが有るのですが、次の機会に。


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