菅政権になってから、総務省幹部への飲食接待の話題が日本のネットニュースに沢山出ている。
役人が利害関係者との飲食を伴う接待は禁じられているらしいが、それは建前で日本という特殊な文化の国では日常茶飯事に行われている事だと思っていた。
飲食の接待なんて欧米ではほとんど無い。
例えばオーストラリアの場合、役人相手で無くとも、接待費という名目は税金控除にならないはず。
だいぶ昔だが、取引をしている銀行から昼食を一緒にしませんかという招待を受けたことがある。
その銀行の「プライベート・バンキング」部門の担当者からの誘いだった。
ヘ〜、オーストラリアでも接待があるんだとちょっとビックリしたが、昼食なのでたいしたことでもないとワイフと2人で出かけた。
そこはオフィス街にあるけっこう高級なレストランだった。
僕らの担当者とその上司の4人での会食で、担当者が僕らにメニューを渡しながら「何でも好きなモノを」と言う。
僕のワイフは冗談で「何でも良いの?ならフレンチ・シャンペンにキャビアから始めて、、、」と言ったら、担当者はどうぞどうぞと言う。
じつは彼らは僕が酒を呑まないというのも知らなかったし、我々は重い昼食(量の多いコッテリした)などは食べない主義なので、ワイフは「冗談冗談、我々あまり昼食は食べないのよ、その上主人は酒が苦手で」と言い、結局サンドイッチにミネラル・ウォーターを注文したが彼らはけっこう拍子抜けした様子で、自分達はけっこうコッテリとした肉料理を注文していた。
つまり当時から社員を営業活動の一環として顧客を食事に招待する場合でも、夕食だと彼らにとっては残業時間になってしまうのを避けていたのではと思う。
就業時間外に顧客のために自分の生活を犠牲にして夕食やその後の飲み会とかにまで付き合う習慣は欧米には少ない。
たぶん中小企業のオーナーが自らやる可能性はあると思うがその場合支払いは自腹かもしれない。
で、その後僕は我が家の会計士にオーストラリアでは「交際費」というのがどの程度認められているのか確認した。
当時(今から15年以上前のことだが)でも食事の接待などでもなかなか厳しいと説明された。
当時僕はファミリー会社の役員という立場ではあったが、家族で出かけた夕食代金を経費で落とすのは無理で、せいぜい出張などでの必要経費としてなら可能だが、それにも出張理由が明白でなければならなかった。
その後銀行からの顧客の接待で食事をするような場合は、社内に出前をする程度の接待しか認められなくなったらしく、ごくたまに投資説明会というような名目で銀行に呼び出された時に、出前サービス(ほとんどが軽食)のようなモノに変わっていった。
そういうオーストラリアと比較すると、業者が役人を夕食に接待し一人当たり数万円も使う(金額の問題ではないが)のが当たり前の文化って本当に「後進国的」だと感じてしまう。
空港で税関の役人が持ち物検査で規定以上持ち込んだのを見つけたら、袖の下(ワイロ)で何とかなるという後進国のレベルと何ら違いが無い。
たぶん日本人はそういう自国が先進国の基準から大きくズレている事さえ気がついていない。
で、接待漬けの文化の国なのになぜ今回総務省の役人が受けた接待に焦点が当てられているのかを考えた。
色々記事を読んでいて気が付いた。
今回槍玉に挙げられている役人は、最近の管首相の携帯料金を安くするという方針に従って、業者に指導を強く推し進めている人間らしい。
携帯料金を政府の指導で安くさせられたら利益が減ってしまう企業が今回のスキャンダル発覚に絡んでいるのではないかと考えていたら案の定、この役人はNTTからも接待を受けていた事が暴露され始めた。
どこの官庁でも接待があるのにいきなりこういうスキャンダルが出てくるのは何か裏があるという典型的な例だと思う。
既得権益に手をつけるとこういう事が起きるというか。
日本は根本から変えないと今回の役人を更迭しても全く日本の問題は解決に繋がらない。
ではその根本何いつ変わるのか?
たぶん「変わらない」だろうと僕は悲観的に見ている。
日本の男女差別のように、日本人自身がそのレベルを客観的に理解できていないように。