これもコロナの犠牲者かも

今日の日記はコロナ感染者の回復に時間がかかるという「long Covid 」についてです。
Long Corvid って日本語で何というのか今ググったが「COVID-19の罹患後症状」と出ているが適切な日本語は無い? ようです。
つまり罹患後の後遺症なのですが、症状としては「疲労感、ブレインフォグ(思考力低下、脳に霧がかかったようなという意味です)、動悸、めまいなど様々な症状が数ヶ月以上にわたって続く」と出ている。

僕は今の家に住み始めて今年で21年目を迎えるが、お隣に確か6年ほど前にその家族は引っ越して来た。
旦那さんはエストニア系オーストラリア人の元法廷弁護士、奥さんは生まれはオーストラリアだが両親は香港系中国人、10代の息子と娘の4人家族が引っ越して来た。

このエストニア系オーストラリア人のご主人はオーストラリアでも数少ないバリスターと言い、英国の裁判所などで白い独特な形のカツラをかぶって弁護するのを映画などで見た方もいると思います。
オーストラリアでは弁護士といっても、法廷弁護人になれるのは少数なのです。

しかしお隣に引っ越して来る前に(というかお隣に引っ越して来た理由でもあるのだが)、法廷で活躍されていたまだ40代だったご主人にある日病魔が襲います。
病名は高名な偉大な物理学者スティーブン・ホーキング博士と同じ「筋萎縮性側索硬化症(ALS)、または運動ニューロン病」でした。

ホーキング博士は21才の時に発症したらしいが、彼の場合はまだ40代後半で体力的にもバリバリ、趣味は自転車で長距離を走ったりの健康的な彼はあっという間に車椅子の人になってしまったのです。

で、それまで住んでいた家が車椅子生活には適さないので、売りに出されていた我が家の隣家を購入し中を改造して住み始めた。
この病気は治療方法は無く、引っ越されて来て初めてお会いした時にはもう喋れず、特殊な装置(コンピュータに目の位置を測定する機器を使って彼が喋りたいことを文字入力という、ホーキング博士と同じ方法)で挨拶したのが強く僕の記憶に残っている。

しかしその後あっという間に亡くなられて、奥さんと2人のお子さんが遺された。
その息子も娘さんも今では大学生になった。

この2人の子供達はとても学業に優秀で、息子さんはシドニーの有名なプライベート高校シドニー・グラマーをトップの成績で卒業し、最初は父親の職業だった法廷弁護士を目指す予定だったが、父がこの特殊な病気で亡くなった影響で、医学の研究をしたいとシドニー大学の医学部に入学した。

僕の寝室からこの息子さんの部屋がよく見えたので、彼が高校生の時から毎日机に向かって長時間勉強をしている様子を見ていた僕は「あんなに真面目に毎日勉強していたらそりゃ〜首席で卒業したのも不思議では無いなあ」というほどだった。

そんな超真面目な息子さん、性格も良く明るく僕らにも親切に接していた彼が医学部を卒業する直前の昨年前半(すでにインターンシップも始めたばかり)にコロナに感染した。

僕自身もう2度もコロナには感染した経験から、彼が感染したという話を聞いても別に驚くようなことは無く、若いしすぐに回復するはずだと思っていたら、昨年彼の母からどうも息子はロングコービッドに罹ってしまっているようで、疲労感が酷くその上にブレインフォグという思考力の低下症状も出て、学業に専念出来ない症状が続いていて一向に回復しないと聞いた。

まあ普通はロングコービッドと言っても若いし2〜3ヶ月療養すれば回復するのではと見ていたのだが、何ともう罹患から一年近くが経とうとしているのにほとんど回復していない。
体力的には疲労感は初期よりもだいぶマシになったらしいが、思考力の低下がどうやら彼にとってはとても大きなショックになっているらしく、昨年後半に奥さん(母親)と娘さん息子さん3人を我が家のランチに招待した時にも、なぜか彼だけが来るのを辞退して不参加だった。

僕はあれ? 簡単なカジュアルなランチで家も隣だしいくら疲れがすぐ出ると言っても来れない距離では無い。
で、奥さんと娘さんとランチを食べながら話していたら、もう一年休学することを決めたという。

そもそも僕がベランダにいる彼を見て声をかけてもハローというとすぐに家の中に引っ込んでしまう。
そうなんです、あまりにも学業に優秀でスムーズに進んで来た彼の人生にとって、特に頭脳明晰な彼にとっては思考力低下により学業が続けられない状態に陥ってしまっている状態が相当なショックで自信も失い、かなり鬱状態が出ておるように見える。
エリートゆえの挫折感の深さというか。

1年間休学して毎日彼が部屋に篭っている状態を目にすると僕は非常に危機感を覚える。
せっかく優秀な成績で自分の父親を襲った病魔の研究をと医学部を目指したのに、自分は(一年休学という)挫折で同窓生からは遅れてしまうとか、とても悩んでいるのではと心配でしょうがないんですよね。

果たして彼は立ち直れるのだろうか。
結局挫折して医者にもなれなかったなんて結果になったら、これも悲惨なコロナの犠牲者ということになると。

admin について

海外生活51年の「浦島太郎」状態のおじさん(いやもうジジイですね)がやっています。 1974年に東京からロンドンへ。 現在はシドニー在住です。 2017年から年に半分はバルセロナに住み始めオーストラリアとスペインの間で渡り鳥人生。 海外に住んでみたい、老後は海外でリタイヤと考えている方にお役に立てれば 幸いです。(フロントページにある景色は我が家から見えるシドニーハーバーです。 シドニーの中心街や右手にハーバーブリッジやオペラハウスが小さく見えますでしょうか) 私に連絡を取りたい方は上のプロフィール内にあるようにFBのメッセンジャーをお使いください。
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