僕が仮想通貨に興味を持ったのはいつだったか。
マウントゴックスがハッカーの攻撃を受け、破綻したのが2014年の2月だったから、確実に2013年以前に僕は購入を考えて色々調べていた。
僕が仮想通貨に興味を持ったのはとても簡単な理由で、娘のためなどにオーストラリアから豪ドルを外貨に替えて送金をする必要が何度となく有ったから。
一般の方は海外送金などの必要性は、海外の製品をウエブで購入する時以外はあまり機会が無いと思う。
日本生まれの僕が1974年に日本を離れ、1980年には英国からオーストラリアへと移り住んだのだがその都度、多くの為替差損を経験した。
日本からイギリスに住みに行った時から始まって、イギリスからオーストラリアへの引っ越し、その後我が両親が日本からオーストラリアに移って来た時など、常に為替レートが変わり、また両替手数料もバカにならない額だった。
ここ10年でもイギリスでの娘のアパート購入資金を始め、種々の理由でオーストラリアドルからポンドやユーロに両替して送金する度に、為替レートに翻弄されたり、為替手数料や海外送金手数料などの金額が半端なく、「もし世界が一つの通貨に統一されていたら」どんなにトランズアクションが単純で、必要無い手数料などに多くを払わずに済むのかと常々感じていた。
為替レートというのは実体経済に連動する以外にも多くの要素、例えば為替の投機的な動きなどでレートが変動する。
同じ期間、それもたった半年くらいのスパンでも10%以上も変換後の金額に差が出る。
だいたい各国の通貨が違うからこそそういう事態に翻弄されるだけでなく、通貨の違いなどで市中銀行を通さない限り海外への送金もままならない。
今のシステムでは、金額が大きいほど信用出来る市中銀行を通して送金することになる。
そんな下地がある僕が仮想通貨についての記事を読んだ時に、仮想通貨のシステムが僕にとってはとても理想的に見えた。
まさに国境を越えた通貨だと思い、はたしてどこまで世界で広まり通用する時代が来るのかなど興味津々だった。
まだまだ仮想通貨が初期の頃で、僕はその利便性に注目して、いくらか購入しようと考えていた。
全く投機的なつもりでは無いので、それが将来値上がりするとかは二の次だった。
仮想通貨で儲けようとかは全く考えていなかったので、慌てずどこの取引所で購入すべきなのかなども含め、慎重に調べていた。
なにしろ隠居の身で旅行ばかりしてたこともあり、常に仮想通貨の事を調べているわけでは無かったが、日本のマウントゴックスというのが取引所で大手で、それも日本にある会社だというのでほぼそれに絞り、購入といってもせいぜい数百万円程度を考えていた。
ところが2014年の2月にそのマウントゴックスが、いきなりハッカー攻撃を受けたという理由で何十億円分だったか何百億円分だかが消えるという事件で破綻するというのを報道で知って、唖然としてしまった。
そうか、デジタルだからこその危険性も大いにあるのだと知り、偶然に購入をしていなかった僕は幸運だった感じた。
それから4〜5年も経ち、今や誰でも名前だけは知っている仮想通貨だが、僕は今のシステムのままでは全く、興味が起きない。
というのもここまで投機的に仮想通貨が売買される現実は、本来の目的からかけ離れていっていると思うから。
少なくとも僕が興味を持った理由とは違うから。
しかしプログラミングを改良すれば「理想的な国際通貨」だと思っている。
どこの国にも影響を受けない、まさに人民の通貨だとも言える。
最も必要なのは投機的な動きがどこまで抑えられかだと思う。
だいたい僕はここ数十年の金融資本主義で、たった一握りの者達が巨万の富を手にする今の市場は非常に不健全だと思っている。
マイクロソフトのビル・ゲイツやアップルのスティーブ・ジョッブスなどが超大金持ちになるのには全く違和感は無いが、ヘッジファンドなどの金転がしで若造が何百億円もの報酬を得るシステムは狂っているとしか言えない。
しかしもし仮想通貨が一般的になり、全ての仮想通貨にデジタル的な紐付けが出来、「投機的な売り買いでは破綻儲けられない」という(課税制度なども含め)システムが確立されたら、理想的だと期待している。
同時にデジタル通貨だからこそ、富の一極集中(人口の1%が世界の富の90%を握ってしまっているような)も防ぐことが出来、貧富の差が現在ほど大きくない社会、つまり「デジタル社会主義」が出現出来るのではないかと。
デンマークに住む我が娘の様に、考えられないほどの高額な税金(所得税や消費税全てにおいて)システムの国でも、とても住みやすいと永住を考え始めているのを見ると、色々と考えさせられますね。