万引き家族

先日、Chauvel という映画館で日本の映画をやっているとワイフがいうので調べたら「万引き家族」だった。
この映画についてはカンヌ映画祭でパルムドール賞を受賞したというのでタイトルだけは知っていた。
あ、ちなみに英語のタイトルは「Shoplifters 」です。 まさに「万引き」です。

早速観に出かけた。
先に結論を書いちゃうと、「とても良い作品」ですね。
オーストラリアに住む僕にとって日本の映画を観る機会はとても少ない。

最近は機内で映画を観るのも避けているし。
飛行機に乗るとなるべく眠るようにしているのは、時差にうち勝つためと眼が疲れないように。
よっぽど眠れず他にすることが無いという時にたまに映画を見るが、ほとんどがドキュメンタリー系の作品。

しかしこんなに良い作品を観ると、次回の旅行では日本の作品を観るのも良いなと感じる。
しかし心に残っている日本の作品はあまり無いんですよね。

ここ10年では「おくりびと」くらいしか思い浮かばない。
けっこう話題になっている北野武の作品も(機内でしか観ていないが)僕の好みでは無い。
というか作品としてそれほど「深く無い」。

この「万引き家族」観終わってからも色々と考えさせられた。
この映画はオススメですね。

さて、ここからは余談です。

この映画の監督は?とググっていたら、この映画の主人公の一人、女優の「樹木希林」はすでに亡くなられているのを知った。
彼女が内田裕也氏と結婚していたのはかなり最近に知った。
ググってみると1973年に結婚されていたんですね。

じつはちょうどその頃、僕が当時住んでいた六本木のアパートにもし他に部屋が空いたら住みたいと、ある人を介して内田裕也氏から問い合わせが有ったのを覚えている。

そのアパートは二階建ての小さな建物で、大家さんがスペインのアンダルシア風の建物をと建築家に依頼した、とても日本には見えないお洒落なアパートだった。

なのでそこに入居を希望する人は多く、大家さんの住んでいる部屋を入れてもたった9軒しかない。 その内3分の1は外国人(アメリカ人やフランス人)のテナントだった。
各アパートの入り口のドアは上部が半円形の特注品で、共有部分にはステンドグラスが使われていた。

↓当時のアパートの写真を探したけど見つかりません。 仕方がないので僕とワイフが写ってしまっている当時の写真を載せます。 長年この日記を書いているけど、「顔出し」は初めて。
部屋の外でギターを弾いて、横で三味線を弾いているのが僕のワイフです。
もう今から45年以上前、僕が24〜25歳の頃の写真なので顔出しても良いかなと。
この日記の下の方で大家さんとの面接の事を書いていますが、こんな風体で良くオーケーが出たものだと。

ドアの形や壁のランプなどで雰囲気がある程度分かるかと思いますが、白壁にステンドグラスの写真は無いですね。

場所は(今は無いと思うが)ハンバーガー・インという店のちょうど裏手になり、六本木の交差点から至近距離という立地で、友人のファッションデザイナーや広告関係で働く人達も「空きが出次第入居を」という人が引きも切らなかった。

人気があるが、一階に住む大家さん(前田さんと言いました)はテナントを選ぶ際にとても厳しく、僕らのような人種は全てお断りという人だった。
一度芸能人を入居させたら、(若い女優)自殺未遂を起こし、騒動になったので「もう懲り懲り」絶対にカタカナ職業の人には貸さないという評判だった。

僕はそのアパートを見つけた時にとても気に入ってしまい、扱っている不動産屋に入居を打診したらその不動産屋は僕を一目見るなり「無理です」と言う。
なにしろ僕は当時広告関係のスタイリストをやっていて、髪の毛は肩よりも下、ヒゲも生やしていて服装もマトモではない。

↑上の写真のごとく当時は(1960年代後半から)こんな「風体」だったので、マトモには見られませんでした。

なので不動産屋は「時間の無駄だ」と言い張ったが、ダメでも良いからとりあえずその大家さんと「面接だけでも」と食い下がった。
当日インタビューに訪ねたら出て来たのは奥さんだった。
旦那さんは全て奥さんに任せている感じで、当時40歳位のその女性は僕に職業を聞いた後に、「どこのご出身?」と聞いた。

で、僕が東京ですと答えると、東京のどこかと言う。
田園調布ですと言うと、「え?田園調布? 田園調布のどちら?」と。
何とその彼女も田園調布の出身だったのです。 それもお互いけっこう近くで急に打ち解け雰囲気がガラッと変わった。

そして彼女の口から「芸能人とかよく分からないカタカナ職業の人に貸さないのは、女優の卵が自殺を図ったトラブルを経験して」と説明した後に、「しかしもし田邉さんが責任を持ってちゃんと住んでくれるのなら大丈夫でしょう」と「OK」が出た。

紹介した不動産屋が一番驚いていた。
後にも先にも、自分が田園調布出身という「恩恵」を受けたのはこの時だけですが、本当にラッキーだった。

それ以来、僕のアパートを「アンアン」「ノンノン」などの雑誌の編集者達が撮影に使ったりで噂が広がり、友人のデザイナーも僕の推薦で入居したりで、何軒かのテナントは僕の紹介だった。

その評判を聞いたのか、当時僕は内田裕也氏との付き合いが無いのに僕に入居の可能性を打診して来たのは「近田春雄君」だったかも知れない。
近田君は我が家に遊びに来てアパートを見ていたから。(たぶん内田氏と近田君の繋がりだったのかも)

1973年頃の事なので、内田裕也氏と樹木希林が結婚した頃のようです。(僕は知らなかった)

しかし僕は内田裕也氏にはロックバンド関係者の取り巻きがいつもいるのは知っていたので、丁重にお断りをした。
トラブって大家さんとの関係を壊したくなかったから。

この映画について書くために樹木希林さんの事もググったので1973年に結婚したというのを知ったのだが、もし一肌脱いでいたら樹木希林さんも一緒に引っ越して来たのだろうかとか、当時の事を懐かしく思い出しております。

そのアパートも今は跡形も無く、そこには大きなビルが建っております。

admin について

海外生活51年の「浦島太郎」状態のおじさん(いやもうジジイですね)がやっています。 1974年に東京からロンドンへ。 現在はシドニー在住です。 2017年から年に半分はバルセロナに住み始めオーストラリアとスペインの間で渡り鳥人生。 海外に住んでみたい、老後は海外でリタイヤと考えている方にお役に立てれば 幸いです。(フロントページにある景色は我が家から見えるシドニーハーバーです。 シドニーの中心街や右手にハーバーブリッジやオペラハウスが小さく見えますでしょうか) 私に連絡を取りたい方は上のプロフィール内にあるようにFBのメッセンジャーをお使いください。
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