先日偶然ソニーの社史か何かの記事を読んでいてウォークマンのことを思い出した。
ウォークマンの世界的ヒットによってSONYは世界のブランドになったと思われる方も多いかも知れないが、すでにその前にはトランジスタラジオやテープレコーダーなどで世界では知られる企業になっていた。
僕にとっても子供の頃から電子機器関係のブランドとしてはSONYはすでにお気に入りのメーカーだった。
発売されたばかりのウォークマンを僕がいつ手に入れたのかを考えていて、Wikipediaで調べたら発売は1979年7月1日だと出ている。
僕は1974年4月東京からロンドンへ移り住んだのだが、当時ロンドンでは手に入らなかったウォークマンをどうやって手に入れたのか。
じつはロンドンに住み始めて知り合った日本人のカップルが、確か1979年に長年住んでいたロンドンから日本に戻った。
東京に帰ってからも彼らとは手紙のやり取りが続いていて、ある日彼らから「最近SONYから凄い機器が発売されたので、ぜったいTomも気にいると思うので送りました」というメッセージと共に送られて来たのがあの薄いブルー色の初期型ウォークマンだった。
さっそくカセットテープを入れて聴いた音に驚かされた。
とてもクリアーな音で、「凄い!」の一言だった。
大いに気に入ってしまいどこへ行くにも常にヘッドホンを着けていた。
ヘッドホンを着けてロンドンの街をを歩いていると、人々は怪訝な顔で(つまりその時代ヘッドホンを頭に着けて歩いている人など皆無なので)何をしているのだろう?という反応だった。
シドニーからロンドンに遊びに来た義父を出迎えにヒースロー空港に行き、到着を待っている時にもずっと音楽を聴いていて、到着ロビーに出て来た義父が僕のウォークマンのヘッドフォンを見て「何をやっているんだ?」と非常に違和感があるという反応で、否定的で僕をバカにしたように言った記憶がある。
日本からウォークマンが送られて来たのは日本での発売間もない頃だったので、もちろんイギリスで最初のユーザーというか、当時は日本人でも「それ何?」と聴いてくるほど。
ワイフも欲しいということになり音響機器の店が並んでいる確かロンドン、トッテンナムコートロード(記憶に自信が無い)の店に探しに行ったが見つからなかった。
その翌年だったかに英国では確か(ウォークマンなんて和製英語で良くないという理由)Stowaway とかいう商品名で色も形もちょっと違うのが売り出された。
オーストラリアでもアメリカでも初期は奇妙な和製英語の名前に違和感があるというので別名で発売されていたが、あまりにも大ヒットになり世界で四億台も売れたために、その後ウォークマンという名前が一般化した。
そう「和製英語が世界を制覇」したんですね。
そんなことを書いていたら「そうか僕は英国で最初のウォークマンユーザーだったんだ」と、自慢にもならないが日本以外の国で最初のユーザーだったかも知れない。
今から50年も前の話。
と思いながらこの日記を書いていて、そのウォークマンを送ってくれたカップルは彼の方が東北大震災の起きた年に癌で亡くなり、彼女の方は今年やはり膵臓癌で逝ってしまった。
僕とワイフは東京に行く度にその彼女の南青山の家にお世話になっていた。
もう何年にもわたって彼女の好意に甘えていた。
確か彼女については今年書いたと思うが、彼女の名前は「土器展美(どきよしみ)」で南青山の彼女の自宅の一階はギャラリー「Dee’s Hall」という名前でやっていた。
こんな年齢になるとどんどん昔の思い出話を語れる親友が欠けていってしまう。
今日のような日記を書くと特に落ち込んでしまいます。