オーストラリアの市民権獲得を考える。

僕が日本を出てロンドンに住み始めたのが1974年。
運が良いことに、英国政府から一年毎の更新が必要だったビジネスビザ(駐在員ビザだったか失念)をパーマネントビザへの変更を受けたが、結局英国の天候に参ってしまいオーストラリアに1980年の終わりに移住した。

結局日本を出てから現在まで50年以上も日本国のパスポートで生きてきたわけだが、オーストラリアの何とも「不公平な税制」が2017年に導入されたために、とうとう僕も日本パスポートを捨てる決断をせざるを得ない状況になってしまった。

その「不公平な税制」とは僕のようにオーストラリアの市民権を獲得せず外国のパスポート(僕の場合は日本国のパスポート)でオーストラリアに住んでいる人間は、たとえそれが自分の住む家でも投資目的と同じ「特別税」の課税対象になってしまったのです。

僕はオーストラリアに移って45年、自分の住む家以外には不動産は所有せずだがこの特別税はオーストラリア人以外が所有する不動産にはその所有者が年間で200日以上住まない場合は「外国からの不動産投資家と同等」とみなし、その不動産の評価額の5%を特別税として課税するという法律が2017年に導入されたのです。

僕はそんな法律ができたなんて全く知らず、隠居生活に入って以来海外旅行や日本への里帰り的にかなりの頻度でオーストラリアから出ていた。

特に娘がデンマークに永住し孫も生まれてからは頻繁にヨーロッパに行く機会が増えた。

で、2024年に僕は日本観光に行きたいという娘のリクエストで4月に日本に行き数週間浅草にあるキッチン付きのホテルに滞在した後にオーストラリアに戻らずそのままバルセロナに渡りその年の10月までシドニーに戻らなかった。

結局オーストラリアにいた日数が200日を大きく下回り、この罰金のような特別税の対象になり何と今年の10月31、そう大動脈瘤の手術を受けている当日にその課税通知の郵便が届いた。

2024年分の税金がもう2025年も終わるという頃に届いて、初めてそんな馬鹿な特別税があると知った。
まさに唖然としてしまい何かの間違いでは無いかとさえ思った。
自分の住む家に課税って。

で、調べてみると僕のように外国のパスポートでオーストラリアに住んでいる人間はオーストラリアに年間200日以上滞在していないと(住んでいないと)この馬鹿な法律の課税対象になってしまうというのです。

たとえそれが自分の住む家で購入してから何十年経っていようが、僕が永住者として45年もオーストラリアに住もうが関係無い。

これは近年外国(主に中国からと思われる)からシドニーの不動産に投資して、オーストラリアには住まず(いちおう何らかのレジデントビザは所有しているが)自国でその不動産の値上がりを待つ人間が増え、不動産価格は高騰し、若いオーストラリア人が買えない額になり、しかしその外国人が購入した不動産には値上がりを待って誰も住んでいない(つまり賃貸にも出てこない)という状況が酷くなってきたこのNSW州は、この特別税を導入したらしい。

僕も空き家のまま値上がりを待っているような外国人投資家には5%どころか10%の課税をしても良いと思うが、しかし少なくともその税制が施行される以前から所有している自分の住む不動産には課税対象から外すべきだと考える。
少なくとも10年または20年以上その不動産を所有しているとか、オーストラリア在住が20年を超えている人には特別な控除を考えるとか。
投資目的で無いのは明白なのですから。

そして少なくとも州政府はそのような特別税の導入を決めたら州政府のWEBサイトに登録している人間には通知をすぐに出すべきだったと僕は思う。
全くそんな通知は無く周りの知り合いに聞いてもそんな特別税など誰も知らない。

今までにも州政府からメールでコロナワクチン接種の通知とか個人向けに色々送って来ているのだから、そんな特別税の対象になる可能性のある人間には警告を出せるはず。

しかし最も僕が怒っているのは日本政府が重国籍を認めない世界でも数少ない国だということで、僕と同年代の同じようにオーストラリアに移民して来た友人達は僕以外全て二重国籍なので、同じようにリタイヤして時間がタップリあるので出身国に長期戻るなんてことをやっている人も多い。
なので彼らさえそんな特別税なんて知っている人は皆無。
彼らは出身国とオーストラリアの市民権を持っているのでこの特別税の対象にならないので。

つまりオーストラリアでも二重国籍を認めない日本国民などほんの一握りの国出身のオーストラリア在住者がまさに「巻き添え」を食っている被害者のような存在なのです。

僕は半世紀以上も日本を離れているからこそ日本に対する愛国心も強くなり、日本人としての誇りもあるので日本パスポートを捨ててオーストラリア人になるというのにはかなり躊躇していた。

日本国が二重国籍を認める国だったらとっくにオーストラリアの市民権は取得していたし今回の問題も起きていないわけで、最大の問題は日本国の制度のせいなんですよね。

なぜ日本政府はこのように考え方が古いというか共産主義の中国政府(中国も二重国籍を認めない数少ない国の一つ)と同じ規則を守り続けているのか?
けっこう認めていなかった国が方針を変えて認めるようになっている。

フィリピンなどは数年前に二重国籍を認めることになり友人のアーチェリー仲間のフィリピン人は大喜びで(彼はその時にすでにオーストラリアの市民権を取りフィリピンパスポートは失っていたが)フィリピンにパスポートを取りに帰った。

僕は彼と話していて、当時麻薬犯罪者をドンドン撃ち殺していたので有名な世界でも賛否の大きく分かれる時のフィリピン大統領デュテルテだったが二重国籍を可能にしたと聞いて大きく見直しました。

あ、そうそう今回支払えと来た税額は、海外投資家の不動産バブルの影響で僕が20年以上も前に購入した我が家も政府の評価額が3〜4倍に上がり、今回支払命令が来た5%の課税額はドイツ製高級車が買える額になっています。

自分の住んでいる家が高くなったって、それを売って安い地方にでも移動しない限り他の物件もシドニーでは馬鹿高くなっていて全く値上がりの恩恵など無いのです。

admin について

海外生活51年の「浦島太郎」状態のおじさん(いやもうジジイですね)がやっています。 1974年に東京からロンドンへ。 現在はシドニー在住です。 2017年から年に半分はバルセロナに住み始めオーストラリアとスペインの間で渡り鳥人生。 海外に住んでみたい、老後は海外でリタイヤと考えている方にお役に立てれば 幸いです。(フロントページにある景色は我が家から見えるシドニーハーバーです。 シドニーの中心街や右手にハーバーブリッジやオペラハウスが小さく見えますでしょうか) 私に連絡を取りたい方は上のプロフィール内にあるようにFBのメッセンジャーをお使いください。
カテゴリー: シドニー生活 パーマリンク