今年のバルセロナ滞在でも2度ほどレンタカーを借りてサンセバスチャンやクエンカ方面にドライブ旅行を楽しんだ。
またコペンハーゲンの娘の所では頻繁に娘のテスラを運転させられた。
日本で生まれ育ち、英国、オーストラリアと右ハンドルの国で生きてきた僕には右ハンドル左側通行が当たり前になっていたが、バルセロナに住んでレンタカーを多用するようになってからは左ハンドル右側通行に慣れる必要があった。
1970年代に当時ロンドンに住んでいた僕は車でドーバーをフェリーに乗せて渡りフランスのカレーに渡り、そこから南下してパリ、リヨンを通りスペインのマドリードまでドライブした。
右側通行の経験はその一度だけだった。
その時の記憶は薄れつつあるが、イギリスで所有していた右ハンドルのポンコツBMWを自宅から左側通行のままフェリー乗り場まで行き、車を積み込み、フランス上陸時に車を運転して下船したらいきなり道路の通行帯が逆になるという現象を初めて経験した。
当然予想はしていたがかなり神経を使った記憶が残っている。
右側通行の国では当然のように左ハンドルの方が運転しやすい。
前車を追い越す場合など特に右ハンドル車で対向車が来ているかなどの確認は非常にし難い。
よっぽど道が開けて直線が長く続いている場合を除き、本来なら右側通行の国の運転席のある部分に座っているワイフに前方から車が来ているか確認しながらドライブした。
しかしスペインに住み始めてまず自分が長年左側通行の国に住んでいたために道を渡る場合でもまずは右を見ながら渡り始めようとして左から車やバイクが走って来てビックリという状態を何度か経験した。
日本ではまず右側から走って来る車を確認してから道に入り次に左から来る車を確認するでしょ。
それが全く逆になるので、横断歩道などでも無意識に右方向へ顔を向けて道路を渡りだすんですよね。
これが自転車の場合は全く音がしないので、非常に危険なんですよね。
そんなわけでバルセロナで歩道を渡る場合でも無意識に顔をまずは左に向けるのに慣れるようになっていった。
先日オーストラリアから遊びに来てくれた同窓生の友人が右側通行に慣れずに今回のヨーロッパ旅行で道を渡る時に何回かヒヤッとしたというのを聞いて、そうか最近自分はバルセロナにオーストラリアから到着した途端に無意識に右側通行に合わせているのだと気がついた。
同様にもう何度もヨーロッパでレンタカーを調達して旅をしているが、左ハンドルの車に乗り込んだ途端に無意識のうちに右側通行が当たり前のように感じて走れるようになっている。
僕のワイフは頭の切り替えが出来ないから怖くて絶対に運転はしたくないとヨーロッパでは常に僕が運転手役をやらされてしまう。
面白いもので、自分はオーストラリアに帰ってマイカーに乗り込んだ途端に何とも当たり前のように左側通行をしているんですよね。
特に間違いを起こし易いのがランダアバウト(日本には無いかも)といって信号機の代わりに交差点の中央が丸くなっていて交差点に進入する車はオーストラリアでは時計回り、ヨーロッパでは反時計回りに回る場所で、スペインでも何度か英国から走って来た車が間違って時計回りに進入し、まさに一方通行を逆走してしまったような状況になっているのを何度か目撃した。
しかし最近自分はまるでバイリンガルのように無意識のうちにヨーロッパでは反時計回り、オーストラリアに戻ると時計回りになっている。
しかしこれがいつまで続くのかとたまに考える。
もう76歳にもなったのでそのうちボケて逆走したりしなければ良いがと考える。
老人性痴呆などが始まると母国語以外はせっかく覚えた外国語でも忘れていくとどこかで読んだことがある。
昔アメリカ軍の兵隊が日本に駐留していて日本人女性と知り合い、結婚してアメリカに一緒に引き上げたカップルが高齢化して両方に痴呆が出てお互いの言葉が通じなくなったという話を聞いたことがある。
運転も同様に僕のような日本人で外国に住んでもずっと左側通行の国に生活して来た人間は右ハンドルが母国語状態になっているかもしれない。